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| 松本ゼミ | |
五味弘文『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか』角川新書、2012年 |
「お化け屋敷プロデューサー」を名乗る著者。単純に「お化け屋敷を作る人」と思いがちだが、本当は、設定・プランから依頼・宣伝までお化け屋敷のすべてを統括するスペシャリストなのである。お化け屋敷は、お金を払って恐怖体験ができる場所。なぜ人間は、お金を払ってまでお化け屋敷に並ぶのか。なにを求めているのか。この本には著者がお化け屋敷を作るうえで、どのようにしてお客様を怖がらせ、その恐怖からどのように楽しみや快感へと変化させるのかが、人間の心理とともにまとめられている。お化け屋敷の話題以外にも「怖い話を聞いた後に行くトイレはなぜ怖いのか」など、誰もが体験したことのある話も書かれている。とても興味深い内容がぎっしり詰まっている一冊である。
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島田紳助『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』幻冬舎新書、2007年 |
「商売って難しい」、「素人の自分が商売なんてできない」。ほとんどの人がそう思っているだろう。しかし、この本を読み終わった時、あなたは「商売で儲けるって意外と簡単なんだ」と思うはずだ。そして、私たちの常識もこの本によって覆させられるだろう。
人は商売を始める前に必ずまわりの店を参考にしてしまう。それは失敗したくないからだ。著者はまずそれを「やめろ」と言う。お客さんの立場からみた店が、必ず本当の姿とは限らないからだ。お客さんがたくさん入っているからその店が繁盛しているというのは大変な勘違いである。では、どういう店を作り上げていけばいいのか……
この本は、どういう気持ちを大切にして働けばいいのか、どんな人と店を作り上げていけばいいのか、そんな商売で本当に大切なことを教えてくれる一冊である。
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向後善之『人間関係のレッスン』講談社現代新書、2010年 |
この本は、人間関係に悩んでいる人のために書かれた本である。著者がおこなっているカウンセリングにやって来た人の中の四人を実例として出している。人間関係には色々なパターンがあって、その中でどのように対処すればうまくいくのか、なぜそのようになってしまったのかという点について詳しく述べている。
人間関係に悩んでいる人には共通点がある。一つは、自分ではうまくやっていると思い込み、それが裏目にでてしまうこと。もう一つは、すべて他人の視点から自分を判断してしまうこと。自分ではうまくやっていると思っていても、知らないうちに追い込まれていってしまう。別に何か失敗したわけでもなく、なぜか、打つ手打つ手が裏目にでてしまうこと、誰にだって一度は経験があるはずだ。それを今後どういう風に変えていけばいいのか、そのアドバイスをくれる一冊である。
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澤井康祐『一生モノの英文法』講談社現代新書、2012年 |
英会話教室に通うにも、基本的な英文法を知って理解しておかなければならない。そこが曖昧だと英語が身につかず、上達もあやうい。しかし、いまさら一から勉強する時間もない。そこで毎日の通勤時間などのちょっとした隙間時間にでも、気軽に読み進められるのがこの新書のよさである。
内容の3分の2以上が、英語の基本文法についてなので、根気強く読まないと途中で投げ出してしまいたくなる。けれども、最後には今後どのような勉強が必要なのかということが本の紹介とともに記されている。だから、英語の基本を一から見直してみたい、基本文法が曖昧だ、という方には絶対おすすめの一冊である。
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適菜収『バカを治す』フォレスト出版新書、2012年 |
「バカを治す」という題名につられてこの本を読みました。この本は、最初に読んだときは全く意味が理解できなかったです。何回読んでも分からないところがありました。しかし、わかる部分もあり、とても深く考えさせられました。バカを治す方法だけでなく、一流の人間とは何かなど、その他もろもろ書かれていました。
しかし、この人が言わんとしていることは、結局よくわかりませんでした。特に「バカを治すには、バカとは関わらない」という箇所です。本当にそうなのでしょうか。私はそうは思いません。いろいろな人と関わることで、いろいろな人を知り、他人と自分の共通点を見つけたり、こういうことをすると相手にいやな思いをさせてしまうことを見つけたりして、それを治すことができると思います。それが「バカを治す」ということだと思うのです。
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打田捻『ハーレーダヴィッドソンの世界』平凡社新書、2009年 |
ハーレーダヴィッドソンというのは大型バイクのことです。この本はそのハーレーを知らない人や、バイクに興味のない人にもぜひ読んで頂きたい一冊です。ハーレーというバイクの種類やメカニズムなどの説明はもちろん、その歴史や実際にバイクに乗っている人の実感なども書いてあり、読んでいても全く飽きることがありません。高価なハーレーダヴィッドソンが、この不況の世の中でも売れ続けている理由など、興味のわくことが手際よく書かれています。なかなかバイクに興味のわかない人は、生涯バイクに関わることがないかもしれませんが、この本で少しでもバイクに興味をもってもらえたらうれしいです。
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手塚眞『手塚治虫 知られざる天才の苦悩』アスキー新書、2009年 |
「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」など数々の名作を世に出してきた漫画家・手塚治虫。著者はその手塚治虫の長男の手塚眞である。父・手塚治虫が漫画家としてどう成功したのか、何を考えて作品を生みだしてきたのか、父の一生について息子の視点から描かれた本である。この本を読めば、天才といわれた手塚治虫が成功ばかりではなく、様々な困難や壁や苦悩に突き当たっていたことがわかる。それ以外にも彼の描く漫画にはどういった手法が使われていたかなど、とても詳しく知ることができる。漫画家を目指している人はもちろん、なにか壁にぶつかっている人もこの本を読んでみてほしい。そうすれば天才といわれた人でも素顔はこうだったのかと納得させてくれるはずである。
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池上正『叱らず、問いかける 子どもをぐんぐん伸ばす対話力』廣済堂新書、2013年 |
小さい子を叱らない、怒鳴らないということは結構難しいものです。私自身、幼い弟がいて、叱ること、怒鳴ることの多い日々です。しかし、この本によれば、叱る・怒鳴るは禁止行為。まず、勢い付いた第一声の前に深呼吸をします。そして、好奇心旺盛な子どもに自らの力で考えさせるために、自分の気持ちをどういう風に伝えればいいのかを考えます。説明が必要な時もありますが、なにより心がけるべきは「どうしたらいいと思う?」という問いかけです。子ども自身に自主的に考えさせ、失敗と経験を経て、成長を促すことを目的とする。この本では「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」という〈問いかけ〉がキーワードです。親や指導者からの虐待やいじめが多く発生し、体罰という言葉が世間をにぎわせている昨今、この教育本は親になる前にぜひ読んでみてほしい一冊です。
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酒井美絵子、鄭城尤『なぜK-POPスターは次から次に来るのか』朝日新書、2012年 |
近年、日本のファッション、ドラマ、映画、バラエティ、そして音楽業界に社会現象を巻き起こしているK-POPスター達。そこには次から次へと多くのスターがいとも簡単に出てきているような印象がある。しかし、それとは裏腹に、国を挙げての想像以上のメディア戦略、政府の強力なバックアップ、そして韓国国内の音楽市場が大きく関係している。そして何より、当人達の並大抵では乗り越えることのできない厳しいオーディション、そこから始まる莫大な資金に支えられた何年も掛けての様々なトレーニング。そういった「スターへの道のり」の過酷さと彼らのハングリー精神に何より驚かされる。日本のエンターテイメント業界が向上するヒントを与えてくれる一冊である。
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横山泰行『ドラえもん学』PHP新書、2005年 |
長年見続けられているドラえもん。その秘話や作者の苦難など、読者も知らないようなドラえもんに関する様々なエピソードが満載の書物です。教育学が専門の著者からドラえもんがどんな風に見えているのか細部まで書かれていて、まるで読者がドラえもんの世界にいるかのような気分になります。そのほかにも、ドラえもんが長続きしている秘訣や、読者層の拡大、学問的な観点から見たドラえもんなど、普段では絶対に知ることができないドラえもんの新しい側面がたくさん詰まっています。また、この『ドラえもん学』も幅広い年齢層が読者対象になっていますので、皆さんもぜひ読んでみてほしいです。
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若宮健『カジノ解禁が日本を亡ぼす』祥伝社新書、2011年 |
著者の若宮健はこの新書を書く前はまったくといっていいほどカジノとは関係のない仕事をしていた。トヨタ自動車の営業マン、自動車販売会社の経営、損保代理人、タクシードライバーなどなどである。そしてその後にこのカジノについての新書を書いた。この新書を読めば、いろいろな国のカジノ事情やカジノの裏側を知ることができる。この世にカジノというものが必要かどうかも考えさせられる。カジノに行ってみたいと思っている人や、カジノに興味がある人は是非読んでみてください。
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※一部の図書については、同じ内容の本のうち、本学図書館に所蔵しているものにリンクしているため、出版社や出版年等が表記と違う場合があります。
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